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サッカー元スーダン代表に捨てられた夜

一つ前のエントリーで書いた

スーダン入国後に必ずやらなくてはいけない

レジストレーションという重要な手続きを終え

市街地にある宿へ戻ろうと、乗り合いバスを待ちました。





乗り合いバスって言っても、他国同様ハイエースです。





交通量は結構あるのに

意外とバスが通らない・・・。



来た!!!

と思って手を挙げても止まってもらえず。

通り過ぎ様に見ると満員だったり。

ガラガラのも通るのに、何故か止まってもらえなかったり。







「もういいや、割高だけど三輪タクシー捕まえよーっと」


と思ってもなかなか来ない・・・。






うー

暑いー

背中や腰の関節が痛いようなダルいだけのような・・・

早く宿に帰ってダラダラ休憩したいー

(この時点で結構身体の異変があったにも関わらず気のせいにしてました)





あっ!三輪タクシー来た!!!



と、思ってもお客を乗せているものばかり。





おっ!やっと空のがきた!!!


と、思っても乗車拒否されたり・・・。

(後で知ったのですが、どうやら三輪タクシーで行ける範囲は決まっているようで???

おそらく同一エリアしか乗ることができないものと思われます。

私が向かおうとしていた市街地は結構遠いので断られたのかもしれません)





あー。

もう。



こうなったらヒッチハイクか!?

親指を道路に突き出すか!?




と、思っていたら、なんと車の方から勝手に止まってくれました。

しかもその車体には青地に☆の円のユーロマーク付き!!!

こりゃぁ信用度高いぜ!!!




止まってくえれた、その車に近づくと

窓ガラスが開きました。



「どうしたんだい?」

顔を覗かせたのはヨーロピアンではなく、明らかに現地人。



「街中に戻りたいんだけど、車が捕まらなくて・・・」

そういうと、

「乗りなよ!君が良ければね」

と、ありがたーいお言葉と同時にドアが開きました。




「君が良ければね」なんていうこちら側の気遣いまでできるなんて

さすがユーロ絡みの仕事をしてるだけある!?




ここはお言葉に甘えよう、とその車に乗り込みました。



私は旅行者で、レジストレーションをしに来たこと

一人で世界を回っていること

日本人だということ

などなど、一通り自分の説明をしてお礼を言いました。



彼はイタリア政府と仕事をしているらしく

今、そのオフィスに戻るところだと言う。

「今、このまま街まで送っていくことはできないから

オフィスでお茶でも飲んで、インターネットでもしていって。

やる事が片付いたら君を街まで送ろう」

とのありがたーいお言葉!!!

お茶とネットまで付いてきた!!!



彼が勤めるオフィスは通りの裏側にあるビルの2階にあり

外からチャイムを鳴らすとメイドさんが出てきました。

中には現地人の同僚が3人ほど。



「さっき道でこの子を拾ってさ」

みたいな感じで紹介され、

(アラビア語の会話だったので意味はわかりませんが多分そんな感じ)

一通り挨拶し、メイドさんが入れてくれたお茶を頂く。



インターネットもできるから、こっちへおいで!

と誰かのデスクに案内されました。

会社のパソコンを他人に、しかもついさっき知り合ったばかりの外国人にいじらせるなんて

「いいのかなぁ?」なんて思いつつメールチェックだけさせてもらいました(笑)




彼の仕事もわりとすぐに一段落したようで

一緒にお茶を頂いて、出発。





宿へ向かっている車内で、彼は自分の結婚写真を見せてくれました。

そこにはとっても綺麗な奥さんの姿が。

幸せ自慢か?嫁自慢か?



でも、そんな自慢してくるくないなら夫婦円満で

私に対して間違いを起こそうという気はなさそうだな。



という、なんとも身勝手な発想をしている私に



「是非私の家族を紹介したい。これから行かないかい?」

と誘ってくれました。




もちろん行く!行く!



更に彼は

「なにも、わざわざお金を費やして宿に泊まっている必要はないよ。

わたしの所のゲストハウスを使えばいい!」

という、何ともありがた~い提案までしてくれました!!!

そのゲストハウスとは、さっきお邪魔したオフィスのことらしく

宿泊者用の部屋が3つあるとのこと。

普段はスタッフが住んでいる寮のようですが

しばらく留守にしているから

そこに好きなだけ泊まっていくといいよ!と。


なんてラッキー!!!



宿泊費が浮くというより

劣悪な環境にある安宿(と言っても、内容に対して安くない)から

快適で清潔な部屋へグレードアップできることが嬉しい。

それがタダともなれば

それは、それは・・・


イスラム教徒って素敵ということですね(笑)





彼の運転する車は私が滞在していた宿の前に到着。

「すぐ荷物まとめてチェックアウトしてくるから待ってて!」

と言って、無事チェックアウトを済ませ車に戻りました。




「おまたせ~」

と、助手席に座ると、彼が意外な写真を出してきました。

そこにはサッカーのユニフォーム姿の彼が写っていました。



「僕はサッカー元スーダン代表なんだ」




えええええ!!!!!

まじっすか!?



「98年のアラブ大会ではベストDF賞をもらったよ」



なぬぬぬぬ!!!!!

その凄さがよくわからないけど、どうやら、多分、凄い人らしい。



「その賞をもらった時はお金いっぱいもらえたの?」

ちょっとやらしい質問をしてみました。

「そりゃぁ、ものすごい金額の報酬が出たよ(ニヤリ)」

やっぱ、この人、凄いらしい・・・。




「日本の有名なプレーヤーとも一緒にプレイしたことがある。

誰だっけ、名前が出てこない・・・ほら、あの人・・・ブラジルから来た・・・」



「セルジオ越後?」

「そう!そう!彼とはイベントで一緒にボールを蹴ったことがあるよ」


ますますよくわからない凄さだ。



自宅ではサッカーチャンネルを契約していて

日本の試合も観る事ができるっていうんだから、やっぱり凄い。

「横浜マリノスが好き」って言っててビックリした・・・。



彼の自宅に到着すると

事前に連絡を受けていた奥さんが出迎えてくれました。

さっき見せてもらった写真の、美しい奥さん。

いいんだろうか・・・

旦那に道端で拾われた日本人の変な女がこんな所に来てしまって・・・。

私は彼の愛人でもないし

事前にこういう客を連れていくという連絡を入れてくれていたのに

なんだか鉢合わせになった気分。

なんだろう、この変な感じ。




彼の家には家族が沢山いました。

いや、彼の家というか、多分奥さんの実家なんだろうな。

奥さんのお母さん、兄弟、兄弟の子供、そして彼らの子供。

もしや彼の愛人かもしれない私をみんな歓迎してくれてました。

(多分そんな風には全く見えなかっただろうけど・・・汗)



案内されたリビング兼寝室みたいな部屋にはベットが4つ

屋外にもベットが3つくらい並んでいました。

大人数で仲良く生活してるんだなっていうのが感じられます。


スーダンはあまりにも暑いので外にベットを置いて寝るそうです。

もちろん屋根はありません。

普段から星空を見ながら寝ているなんて、ある意味贅沢。




「どうぞ、召し上がれ」とお菓子と飲み物が出てきました。

凄いお盆だよ!

金持ちの香りがする(笑)

スーダン代表奥さんお手製のお菓子2

これらのお菓子、奥さんの手作りお菓子だそうな。

ラマダン明けに食べる為に、各家庭で作られるお菓子なんだって。

母から娘に受け継がれるそのお味は・・・

デパ地下で売ってる高級菓子みたいで美味しかった!!

(パウダーシュガーがかかってるとそれだけで高級感あるからか?笑)



こちらはアラビックコーヒー。

アラビックコーヒー

その場で豆を炒るところからスタート。

出てくるまでにかなり時間がかかってたけど

香り高くて、香ばしくて、今まで飲んだ事のない味でした。

これまた器がお洒落でしょ?




その後、彼のお母さんのお家へお邪魔することになりました。

奥さんや、奥さんの家族とはここでバイバイ。



「じゃ、ちょっと行って来るよ」

「気をつけてね、あなた。(子供に)ほらパパにキッスは?」



みたいなやり取りを目の前で見せ付けられて

これは私は本妻よという余裕アピールか?

などど、愛人でもないし、愛人願望もない私が

何故かよくわからないけど僻んでみたり・・・。

でも、もしかしたら彼女も第二、第三夫人ていう可能性も無きにしもあらず?

なーんていう想像をしてみたり(笑)

なんて勝手なんだ、私は。



彼のお母さんのお家というのは、マンションの様な建物の3階で

それはそれは近代的な雰囲気の

余裕のある生活をしているお家でした。

それもこれも、多分、彼がサッカー選手時代にガッポリ稼いだお陰かと思われます。

そこに居たのはお母さん、お姉さん、弟、姪っ子、甥っ子。

ちょうど昼食の時間だったので、一緒にご馳走になることに。

スーダン代表の実家にてご馳走を頂く

全体的に味濃い目でしたが、やっぱ家庭料理はいいね!

「もっと食べて!遠慮しないで!」と勧められてありがたいのですが

なんだか食欲が湧かず、「もうお腹いっぱい、ありがとう」と言うと

「ほんのちょっとしか食べてないじゃない!これ嫌い?」となるので

「とっても美味しいんですが、私の胃はちっちゃくって・・・」

とぽっちゃりしている私が発するにはあまりに説得力のない言葉・・・。



実はこの時、すでに熱っぽく、食欲も全然無かったのです。

背中から腰にかけての節々も痛いし

頭はポーッとするしで、正直椅子に腰掛けているだけでも辛い・・・。

心の中では一刻も早く彼のオフィスにあるゲストハウスへ行って横になりたい

と思いながら、せっかくのおもてなしだしと思って耐えていたのでした。


すると、そこへ彼のもう一人のお姉さんが登場。

カタールのホテルで働いているとかいう彼女。

たまたま久しぶりに帰ってきたそうです。

この人が、とんでもないテンションでぶっ飛んでます。

甲高い声で「トモコ~!一緒に昼寝しましょ~!」と誘ってくれたので

ラッキー!とばかりに彼女の部屋のベットに横になり、ちょっと休憩。

彼は、まったく姉は・・・そろそろ出発しようと思ってたのに・・・という態度。

私も横になりたいけど彼の様子を見て、10分くらい横になると

「そろそろ行く?」と声を掛けました。

「そうだね、そろそろ行こうか」となると

またまた甲高い声のお姉さんは

「何で~?どこへ行くの~?泊まってって~!もっとトモコと話がしたいわ~」

というので、「また来ま~す」と言って彼の実家を後にしたのでした。




車に乗り込み、オフィスへ向かう車の中で私はついに告白しました。



実は、具合が悪いと。



熱っぽいんだよね・・・マラリアだったりして!?という私に

どれ?と言って喉元に手を当て私の体温を確認する彼。

「マラリアって事はないよ。マラリアはこんな風にしていられないくらい辛いから。

多分ちょっと疲れたんだろう。今夜はゆっくり休むといいよ」と。



オフィスへ到着し、荷物も部屋に入れ、共有スペースで一服。

一刻も早く横になりたい・・・。

二人っきりのこの空間。

間違いが起こりえないとも限らない。

私はそれどころじゃないんだ。早く部屋に入って休みたいよぅ・・・うぅ・・・。




でも、そうはいかない理由があったのです。

彼の家へ向かう車内で

「スーダン人て実はお酒のんでたりってことはないの?」

という質問をしていたのです。

イスラム国家のこの国。

禁酒は当たり前なのですが、そうは言っても陰で飲んでるんじゃない?と。

その答えは


「昔は合法で飲める場所があったんだ。それが今は法律が変わってしまってね」


意外や意外。

合法かい!!!

私の英語の解釈が間違っていなければの話ですが(笑)



現在は法律が変わり全く飲む事ができなくなってしまったそうです。

でも、やっぱり闇のルートは存在するらしく

「特別に今夜用意しよう」と言ってくれていたのでした。



だから、彼の友達が持ってくるとかいうお酒を待つ雰囲気に・・・。



でも、一向に来る気配がない。

というか、本当に来るかどうかも怪しい。



だめだ・・・、もう限界・・・




本当に申し訳ないんだけど、私、具合悪いから先に寝てもいい?



彼からは

君の為にお酒を頼んだのに・・・残念だ・・・

とか、色々言われましたが

ここでその幻のお酒に出会えたとしても、とても飲めない・・・。



本当に、ごめん!



そう言って、私はあてがわれた部屋に入りました。

まさかのクーラー、バス・トイレ付きのその部屋。

暑くて汚くて、ハエが飛びまくっている安宿とはわけが違う!!

ここなら、今夜ゆっくり休めば明日には元気になれるかも!!



クーラーを点け、ジーンズを脱ぎ、シャワーはやめといて歯磨きだけし、

持ち合わせていた冷えぴたをおでこに貼り

最後に万全を期して鍵を内側から掛けようと思ったら鍵がない・・・ので

室内にあった椅子をドアの前に置いて

外側から入ってこれないようにしました。



よし、寝よう。




熱い・・・

身体が・・・火照ってる・・・




寝よう・・・

寝よう・・・




だめだ・・・やっぱり熱い・・・





そんな葛藤を繰り返していると部屋のドアをノックする音がしました。



椅子をどけて出ると

「申し訳ない、急遽イタリアからのスタッフが来ると連絡が入った。

もうすぐその人が乗った飛行機が到着する。

今日はもう遅いから、その人は今晩ここへ泊まって

明日、遠方へ仕事に行くのだが

その人に君がここにいることがバレたらマズイ。

明日からはここへ泊まってもらって構わないから

今晩だけはホテルに泊まってくれないか?」



ぎょ ぎょ ぎょ・・・



「オ、オッケイ・・・」


「じゃぁ、15分で荷物をまとめて。

空港に迎えに行かなきゃならないから

その足で君をホテルまで送っていくよ」




せっかくありついた清潔で快適な宿・・・。

でも、明日には戻ってこられるんだ。

今晩だけの我慢だ!




広げた荷物を再度バックパックに詰め込んで出発。

「同じ宿に戻ればいいかい?」

「う、うん・・・」

あの劣悪な部屋に戻るのか・・・。

仕方ないや、そこしか知らないし・・・。



おでこに冷えぴたを貼って

よくわからない男と戻ってきた私を宿のスタッフは

「???」という顔で迎えてくれました(汗)

今思うと、私を連れてきたのは元サッカー選手。

首都カルツームを拠点とするチーム、2つのうちの

より大きくて人気のある方に所属していたらしく

一応ちょっとした有名人だから街で声を掛けられることもあると言っていたので

「何で日本人の女がこの人と?」

という感じだったのかもしれませんが・・・。




「明日の朝11時には迎えにくるから」

そう言い残して彼は去って行きました。




私はハエが飛び回る暑い部屋で一晩過ごし

翌朝、重たい身体を起こして荷物をまとめチェックアウトし

宿のロビーで彼を待ちました。




10分経過・・・もっと余裕で準備でもよかったかな


30分経過・・・ちょっと遅刻かね?


1時間経過・・・イタリア人を空港に送ってって渋滞にでもはまったか?


2時間経過・・・急遽仕事の都合でオフィスに戻ってたりするのかなぁ?


3時間経過・・・携帯番号を聞いておかなかった事をひたすら後悔



この間、私はどんどん体調が悪くなり

荷物に突っ伏し、うなだれている私を見て

宿のスタッフや現地人の宿泊客が

「大丈夫か?病院に行いくべきだぞ」と、言うものの

「友達が私を迎えにくるから待ってなきゃならないの」

と、あくまでも彼が迎えに来ると信じて待つ私。



4時間経過・・・「大丈夫か?」と現地人の客がジュースをくれた


5時間経過・・・「病院に行くか?」と声を掛けられるも拒否


6時間経過・・・寝よう、ここで寝てしまえ・・・


7時間経過・・・だめだ、寝るにねられない・・・


8時間経過・・・ロビーのテレビでまさかのJリーグ放送が始まった
         (川崎フロンターレvsどこだったか忘れた)


9時間経過・・・チャンネルが変わった


10時間経過・・・諦めて再度チェックイン(泣)




翌日も望みを捨てず、ロビーで待ってみましたが

彼が迎えにくることはありませんでした・・・。

あの快適な部屋に戻りたいという願いも叶わず

劣悪な環境のこの宿で私の体調はどんどん悪化していくのでした・・・。



つづく・・・
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プロフィール

Ouchi Tomoko

Author:Ouchi Tomoko
&brcurrent銀座でホステスを始めて4年ちょっと。その間、色々やってました。
そろそろ色んな事から卒業して旅に出ようと思います。

☆★☆★ 世界一周 放浪中 ★☆★☆
日本メキシコキューバジャマイカメキシコベリーズグアテマラ





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